前章ではHTTPSクライアントを使いました。今度は自分でHTTPSサーバーを立ててみましょう。3章の httplib::Server を httplib::SSLServer に置き換えるだけです。
ただし、TLSサーバーにはサーバー証明書と秘密鍵が必要です。まずはそこから準備しましょう。
開発やテスト用なら、自己署名証明書(いわゆるオレオレ証明書)で十分です。OpenSSLのコマンドでサクッと作れます。
openssl req -x509 -noenc -keyout key.pem -out cert.pem -subj /CN=localhost
これで2つのファイルができます。
cert.pem — サーバー証明書key.pem — 秘密鍵証明書ができたら、さっそくサーバーを書いてみましょう。
#define CPPHTTPLIB_OPENSSL_SUPPORT #include "httplib.h" #include <iostream> int main() { httplib::SSLServer svr("cert.pem", "key.pem"); svr.Get("/", [](const auto &, auto &res) { res.set_content("Hello, HTTPS!", "text/plain"); }); std::cout << "Listening on https://localhost:8443" << std::endl; svr.listen("0.0.0.0", 8443); }
httplib::SSLServer のコンストラクタに証明書と秘密鍵のパスを渡すだけです。ルーティングの書き方は3章の httplib::Server とまったく同じですよ。
コンパイルして起動しましょう。
サーバーが起動したら、curl でアクセスしてみましょう。自己署名証明書なので、-k オプションで証明書検証をスキップします。
curl -k https://localhost:8443/ # Hello, HTTPS!
ブラウザで https://localhost:8443 を開くと、「この接続は安全ではありません」と警告が出ます。自己署名証明書なので正常です。気にせず進めてください。
前章の httplib::Client で接続してみましょう。自己署名証明書のサーバーに接続するには、2つの方法があります。
開発時の手軽な方法です。
#define CPPHTTPLIB_OPENSSL_SUPPORT #include "httplib.h" #include <iostream> int main() { httplib::Client cli("https://localhost:8443"); cli.enable_server_certificate_verification(false); auto res = cli.Get("/"); if (res) { std::cout << res->body << std::endl; // Hello, HTTPS! } }
こちらのほうが安全です。cert.pem をCA証明書として信頼するよう指定します。
#define CPPHTTPLIB_OPENSSL_SUPPORT #include "httplib.h" #include <iostream> int main() { httplib::Client cli("https://localhost:8443"); cli.set_ca_cert_path("cert.pem"); auto res = cli.Get("/"); if (res) { std::cout << res->body << std::endl; // Hello, HTTPS! } }
この方法なら、指定した証明書のサーバーにだけ接続を許可して、なりすましを防げます。テスト環境でもなるべくこちらを使いましょう。
3章で学んだ httplib::Server のAPIは、httplib::SSLServer でもそのまま使えます。違いはコンストラクタだけです。
httplib::Server | httplib::SSLServer | |
|---|---|---|
| コンストラクタ | 引数なし | 証明書と秘密鍵のパス |
| プロトコル | HTTP | HTTPS |
| ポート(慣例) | 8080 | 8443 |
| ルーティング | 共通 | 共通 |
HTTPサーバーをHTTPSに切り替えるには、コンストラクタを変えるだけです。
HTTPSサーバーが動きましたね。これでHTTP/HTTPSのクライアントとサーバー、両方の基本がそろいました。
次は、cpp-httplibに新しく加わったWebSocket機能を見てみましょう。
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